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Wednesday, October 26, 2011

ベルのこと


少し前に、近所にボクサー犬がやって来た。
勝手に「ベル」という名前をつけた。

その時私は、ボクサー犬とドーベルマンがごっちゃになっていて、本当はボクサー犬なのに、ドーベルマンだと思っていて、それで「ベル」にしたのだけど、本当はボクサー犬だから、もう意味が分からない事になっている。
でもいいのだ、ベルで。

ベルは、いかめしい顔つきの割に、結構グタグタな奴で、大抵庭でお腹を出して寝ているか、たとえ起きていても、ぼんやりと所在なさそうにしている。
試しに「おいで」と言うと、泣きそうな顔でこっちを見てくる。
なんとも言えず、可愛らしい。
ベルは、おそらく備え付けの花壇用の窪み、と思われるスペースをいたく気に入っている様子で、8割がたそこで寝ている。その窪みが、ベルの身体にジャストフィットしていて、すっぽり収まっている姿がまた可愛らしい。

私は、ベルの家の前を通って出かけるのが日課になった。
ベルが寝ていると、「また寝てるな」と嬉しくなるし、起きていると、試しに「おいで」と言ってみて、泣きそうな顔を見て愛おしい気持ちになるし、いないと「いないなぁ」と思って淋しい気持ちになる。

ベルは、飼い主でもなく飼い主の友人でもない、本当に全くの他人の私が、こんなにも癒されている事を知っているだろうか?

もちろん、知るはずないのだ。
そんなこと、ベルには全く関係ないし、ベルは、ただただ自分の世界で、自分流に、自分の時間を過ごしているだけだ。毎日、眠ったり、遊んだり、食べたり、はしゃいだり、たまには淋しい思いをしたり、腹を立てたり、どこかに頭をぶつけて痛い思いをしたりするかもしれない。そんな風に、ただただ自分の世界を生きているだけで、その世界の中に、私は全然関係ない。
私は私で、勝手にベルに癒されていて、大好きだから、『ベルが毎日健やかに楽しく過ごせるといいな』と、やはり勝手にベルの幸せを願ったりしている。

けど実は、いつか勝手に飽きるかもしれないし、ベルよりもっと気になる犬がやって来て、ベルなんてどうてもよくなるかもしれないし、先の事は分からないのだ。もしそうなったとしても、やっぱりベルは1mmほども気にしない。ベルは揺るぎなく、ただただ自分自身を生きているだけだからだ。

そんな事が、きっと想像以上に、この世界にはあふれかえっているのだろう。
それは、なんだかとっても素晴らしい事のような気がした。
それを確かめる事は出来ないけれど、確信に近い気持ちで、そうだと言える気がしている。

Wednesday, April 27, 2011

たわし


最近めっきり暖かくなって、猫がウロウロし始めた。
早速近所で、よく鳴く雉虎を発見。
とにかくよく鳴く(しゃべる)。
まず目が合うと、「ニャー」と鳴き、触ると「フガッフガッ」とまるでアヒルのように鳴き、「じゃあね」というと「ニャ」と鳴く。

なんて名前にしようかと考えて、「たわし」にした。
たわしのように丸まると太っているし、触った感触も、猫のくせに猫っ毛じゃなくて、たわしのように硬い毛だからだ。

「たわし」と呼ぶと、「ニャー」と答えた。
「たーちゃん」と距離感を縮めてみたが、やはり「ニャー」と答えた。
友達として、認めてもらえたみたい。
仲良くなれそうだ。

*****

某喫茶店にて、勉強の出来そうな男子が、見るからにやる気も分かる気もない女の子に勉強を教えている。いくら熱心に教えても、聞いてもないし、ついには欠伸してる。
あ〜あ、と思って見ていると、
「聞いてる?」
と、男子。ちょっと切れ気味。
ダメだよそんな事言ったって。彼女はもともと分かろうとなんてしていないし、要は君といたいだけだし、もっと本当の事を言えば、多分君じゃなくたって良いのだから。

面白い事になってきたぞ、と引き続き見ていると、ほら言わんこっちゃない、泣いちゃった。
沈黙する男子。

そんな彼女を可愛いと思えるか思えないかは、君の懐次第だ、若者よ。
あの若者に、ぜひこれを聴いていただきたい。
(*出来たら動画を見ずに、上の2人の様子を思い浮かべてpv替わりにして聴いて下さい。)


そしてこんな私を意地悪だと思うか思わないかは、読んで下さった皆様の裁量に委ねます。
心をキレイにしたくって、花を一輪買いました。
そこのところをどうか、加点してやって下さい。

Monday, July 12, 2010

マツコ


早いもので、搬入の2週間前。
週末は、仕事とDMの準備をして、あと太った人魚(マツコ)を1枚。

それにしても、あの予言蛸が気になる。
この前、「サラダにしちまえ!」と、八つ当たりされていたらしい。
蛸はただ予言しただけなのに、あんまりだ。
そう言う自分は蛸食べるけど、でもどうか彼(?)には、美味しいものをたくさん食べて、末永く楽しく暮らしてほしいと思う。
蛸って太るのかな?

Thursday, March 11, 2010

カエルのこと



何日の事だったか定かではないのだけれど、昼間暖かかったのに夕方になって急に冷え込んだある先日、友人から電話があった。

「マンションの入り口に、巨大なカエルがいて一向に動かない。恐ろしくて家に入れない。生きているのか死んでいるのかさえも判別できないような状態である。」

私が田舎育ちで、そういった事(カエル関係)に詳しいと思ってのSOSだったのだろう。
私はこう答えた。

「それは寒くて身体が冷えて動けなくなっているのだから、お湯をかけてやればよいのだ。」

友人は、私に大層感謝して、電話は切れた。
電話が切れた後で、私は思わず「キキキ!」などと実際に声に出して笑ってみたりした。

嘘だった。

今頃、カエルの為に湯を工面してかけているであろう友人の姿を思い浮かべると、愉快で仕方がなく、その後も何度か「キキキ!」と言って一人楽しんでいると、再び電話がなった。

「言われた通りに湯をかけてみたら、奴は植え込みの中に消えて行った。何とお礼を言ったら良いものか、言葉が見つからないほどだ。」

と、ひとしきり感謝され、電話は再び切れた。

良い事をした。

Tuesday, December 8, 2009

悲しい犬


黒くて尻尾がない犬。
尻周辺の毛だけがベージュ。
際立つ肛門。
コントラストがきいてるね。
犬よ、君は自分の肛門の場所を知らしめるために生まれて来たのだ。
君の生まれて来た意味はまさにそれなのだ。

Thursday, July 2, 2009

ヒョウドル


近所に、やけに顔の細い猫がいる。
ヒョウみたいだから、「ヒョウドル」と呼んでいる。
うっかり触ろうとでもしたら、ものすごい俊敏な動きで攻撃されそうだから、触った事はないし、それどころか、なるべく近づかないようにしている。
夜、友人と歩いていたら、ヒョウドルがいた。
「あいつヒョウドルって言うんだよ。顔が細すぎて怖いよ。」
「本当だ。ヒョウみたいだ。」
暗くて気づかなかったのだけど、ヒョウドルのすぐ近くに飼い主のオバチャンがいた。
人の悪口は勿論だけど、動物の悪口も言わない方がいいな、と思った。