Wednesday, August 10, 2011

ありがとうございました。









先日、「なつこちゃんとなつちゃんと」“わたしドーナツこ”絵本原画展、無事に終了しました。みなさま、本当にありがとうございました。

展示が終了したら、きっとポカンと時間が空いて、寂しくなったりもしながら、でもゆったりと、思い返したり、お礼のご連絡を差し上げたりして過ごすのだろうな、と思っていたのですが、翌日からやけに家の電話は鳴り響き、おかげさまで忙しい日々を過ごしております。そんなこんなで、こちらの更新もすっかり遅くなってしまいました。

今回の個展は、この年齢でこんなに楽しい個展を経験してしまってよいのだろうか?と、今後が心配になるくらい、楽しくて、幸せ感に満たされた日々でした。言葉にすると、台無しにしてしまうような気がして、ちょっと怖くて書けないのですが、本当に、あの時間は、色々なものが、おだやかにキラキラと光っているように感じました。

もしもこの先、自分が事故や病気でそれまでの記憶をなくすようなことが起こったとしても、思い出す記憶の中に、あの日々はきっと含まれているだろう、と思うのです。もしも出来事として思い出せなかったとしても、きっと感覚だけは覚えていて、例えば曇り空の日に、長い商店街を散歩する時だとか、天気雨の日に、誰かが自分の家にやって来た時だとか、コーヒー豆を挽くガーッという音を聞いた時だとか、誰かにお花を貰った時だとか、寝転んだ媚びない老犬を見た時だとか、美味しいお菓子を食べた時だとか。そんなふとした時に、あのキラキラとした感覚を思い出して、理由は分からなくても、とても満ち足りた気持になれるだろう、という、そういう自信があるのです。

そんなキラキラとした日々を送る事が出来たのは、関係者のみなさまや、ご来場いただいたみなさま、「行けないけど成功を祈ります」と応援して下さったみなさま、そして、「すずらん通り」という不思議な土地の力とそこにいるみなさまのおかげです。

あんまりよく知らないのに、私は「すずらん通り」や、そこにいる人たちが、大好きになってしまいました。受け入れてくれるのに、放っておいてくれる、その絶妙な距離のとり方は、本当に優しい人たちの距離感です。例えるなら、子どもの頃に、父や母の友人が家に遊びに来ていて、楽しいのに子どもだから先に寝なくちゃいけなくて、一人で寂しいのだけど、隣の部屋からはその人たちの話し声や物音がしていて、眠る直前までとても満ち足りた気分でいられる、そんな優しい距離感です。そこには、一向に果たされない大人の約束や、人を悲しくさせる社交辞令なんてなくて、ほんの少しの優しい意地悪があったりします。
大好きで、毎日だって遊びに行きたいくらい。
でもそれをしないのは、私はずっと「こんにちは」と「さようなら」を言いたいからなのでしょう。

はじめて会う人にも、親しい人にも、何度でも、「こんにちは」と「さようなら」を言えるように、これからも何かを作っては、たまにお披露目する会を催したいと思います。
私は一体、作品を見てほしいのか、人見知りのくせに人に会いたいだけなのか、よく分からなくなることがあります。きっとこれからも、よく分からないままなのでしょう。真面目な人が聞いたら怒るかもしれない。でも、そんなイラストレーターがいても、ちょっとくらいいても、まぁいいかも、と思います。

だから今は、無理せず少しでも長く続ける、が目標です。
ありがとうございました。
そんな私ですが、これからも、なんとなく、見守っていただけたら、とても嬉しいです。

2 comments:

  1. 展示をみにきてくれたひとに「こんにちは」をいえるの、たのしかったね。

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  2. はい、楽しかったです!本当にお世話になりました。
    見送る時に、「コトリちゃん住んでるみたい」って言われた時があって、それも嬉しかったです。(すみません!)
    実際の家は、紙類が散乱していて、なかなか人を呼べないので、なんだか擬似体験でした。
    これからも、どうぞ仲良くしてやって下さい。

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