Wednesday, December 7, 2011

カレンダー展、終了しました。


2012年のカレンダー展、無事に終了しました。
お忙しい中ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
2012年が、明るく楽しい1年になる事を、祈っております。

残り僅かとなりましたが、2011年は、本当に、悲しい事が多すぎた1年でした。
日本中がそうでしたし、個人的にも、悲しい出来事が多かったように思います。
それは、3月以降に過敏になった神経がそう感じているだけなのか、人と土地にはやはり繋がりがあって、土地の変化が人にも連鎖して見えない変化を起こさせているのか、それともただの偶然なのか、確かな事はわかりません。
ですが、おそらく、その3つが少しずつ合わさっているのではないかと思います。

私はもともと、下らない事を気に病んだり、ウジウジしたりする質ではありますが、今年の感覚は、やはりいつもとは比較にならない類のものでした。
それは、ごはんも食べられない、掃除する気にもならない、誰にも会いたくない、といった、どん底な悲しみとは違って、お腹が空いたら食べるし、散らかれば掃除もする、人に会えば楽しくおしゃべりもするけど(決して無理にではなく、自然に)、その分、いつ回復するのか分からない、ずっと続いていくような怖さがありました。

それから、多分赤ん坊の時以来、1番泣いた1年でした。
部屋にいると理由もなく泣いたし、外でも気を緩めると泣けてくる、そんな状態が、今もまだ続いています。
何が悲しいのか、自分でもよく分からないのですが、やはり前に書いた3つの理由が、複雑に合わさっているのだと思います。

ただ、1つだけ希望があるのは、それが「悲しい」ままで、とどまってくれている事です。
自分の信念というか、守ろうと思っている事に、「憎々しい気持ちになるよりは、悲しい気持でいる方がましだ」というのがあるのですが、それは、「悲しい」に、ある種の美しさを感じるからです。(例えば、誰かが悲しい顔をしていたら、誰かが切ない気持になるでしょう。それは、ある人がある人を大切に思っているからです。その繋がりに、美しさを感じます。)

そんな日々の中、「新しい年」の意味が、初めて分かったように思いました。

それはきっと、祈りのようなものだったのではないのでしょうか?
年が変わったからといって、実際に何かが変わるわけではないのは、分かっているのです。
でも、そうしないとやりきれないような、悲しみが続きすぎてしまうような、そんな時があって、それが今のような気がするのです。
それは、「手の平に人って書いて…」のような、子どものおまじない、みたいなものかもしれません。
そして、新しい年のカレンダーを作る、という行為は、その「おまじない」そのものでした。

特別なメッセージやモチーフを描いたわけではありませんが、
「新しい年が、本当に新しくなりますように」
と、願いながら作りました。

明るい年になりますように。
むしろ、ならなきゃおかしい!
心から、そう思います。

Tuesday, December 6, 2011

嬉しかったこと2



嬉しかったこと。その2。

お知り合いのIさんが、採れたての林檎と、お菓子のお土産、手作りのリストウォーマーを送って下さったこと。
急に寒くなって、心まで折れそうでしたが、Iさんのお心遣いに、一気に心があったまりました!

左の林檎が近所で購入したもの、右がIさんに頂いた林檎。
大きい!!
美味しい!!

そしてリストウォーマー、私は初体験だったのですが、あったかい***
パソコン作業がはかどりそうです。
エアコン消しても大丈夫◯

優しいIさん、本当にありがとうございました!
林檎とリストウォーマーで、風邪知らずになれそうです。

嬉しかったこと1



嬉しかったこと。その1。

今連載をさせていただいている、オレンジページの「もぐもぐさん」。
お料理のHikaruさんの娘さん・すずちゃんが、最新号の校正紙を真似して絵を描いてくれたこと!

見比べていただくと、かなり正確に描いてくれているのが分かるかと思います。
タイトルの右上に、数字の4に似た記号がありますが、これ、トンボ

前回の撮影の時に、Hikaruさんに見せていただいてから、もう見せたくて仕方ないのをずっと堪えていました。晴れて本誌も発売になったので、お披露目しちゃいます。

可愛いなぁ*
すずちゃんの他にも、もぐもぐさんの似顔絵を描いたりしてくれてる子、いるのかなぁ?
そんなことを考えているだけでも、幸せな気持ち。

小さい頃に感じた、「この絵の中に行ってみたい」とか、「この木の実食べてみたい」とか、そんな気持ち。そんな気持ちを、今度は私があげられたら最高だ。
だって、それって、繋がるってことだ。
人は、生まれたり育ったり老いたり死んだりするけど、そういう時間の流れに、自分も関われるってことだ。

すずちゃんの絵を見せてもらってから、ろうそくに小さな火が灯ったような、ずっとそんな気持ち。
きっと、小さく長く続いていく火。
ちっちゃい子は、大人には使えない魔法をもっているんだなぁ。
もらった小さな火を、大切にしていこう。
がんばるぞ〜。

Monday, December 5, 2011

*2012年カレンダー/通販が始まりました



「秋の芝生 めくるもの 2012年カレンダー展」、残り2日となりました。

芝生さんのHPから、カレンダー展のカレンダーがご購入いただけるようになりました。私のカレンダー(カラフル オノマトペ カレンダー、ビジネスマン カレンダー)も、取り扱っていただいております。
ぜひ、ご覧下さい!



上の絵は、なぜか1番気に入っている、カラフル オノマトペ カレンダーの2月の絵。
なんかちょっと可哀想で好きなのだ。
だって、遊びに来たのに、遊んでもらえない。
「この子可哀想」って言ったら、「自分で描いたんでしょ?」って言われた。
そうなんだよね。
きっと意地悪するのが好きなんだよね。

Friday, November 18, 2011

めくるもの/2012カレンダー展




cafe + gallery 芝生さんの「めくる もの/2012カレンダー展」に参加させていただく事になりました。
本日11月18日から始まります。

*****

秋の芝生2011「めくるもの/2012カレンダー展」
2011.11.18 fri - 12.6 tue
13:00 - 21:00(土日祝日、最終日は19:00まで)
水曜休み

〒156-0052
東京都世田谷区経堂2-31-20
tel & fax 03-3428-5722

*****

来年の事を楽しみにしながら、カレンダーを探しにいらっしゃいませんか?
きっと、お気に入りが見つかると思います。

私は、「カラフル オノマトペ カレンダー」と「ビジネスマン カレンダー」の2種類を出展しております。
写真2枚目は、搬入前のカレンダーたち。
中味は、ぜひ会場に見にいらして下さいね!

経堂・すずらん通り商店街のお散歩もおすすめです。
年末が近づき、お忙しい時期かと思いますが、
お立ち寄りいただけたら嬉しいです。

Wednesday, October 26, 2011

ベルのこと


少し前に、近所にボクサー犬がやって来た。
勝手に「ベル」という名前をつけた。

その時私は、ボクサー犬とドーベルマンがごっちゃになっていて、本当はボクサー犬なのに、ドーベルマンだと思っていて、それで「ベル」にしたのだけど、本当はボクサー犬だから、もう意味が分からない事になっている。
でもいいのだ、ベルで。

ベルは、いかめしい顔つきの割に、結構グタグタな奴で、大抵庭でお腹を出して寝ているか、たとえ起きていても、ぼんやりと所在なさそうにしている。
試しに「おいで」と言うと、泣きそうな顔でこっちを見てくる。
なんとも言えず、可愛らしい。
ベルは、おそらく備え付けの花壇用の窪み、と思われるスペースをいたく気に入っている様子で、8割がたそこで寝ている。その窪みが、ベルの身体にジャストフィットしていて、すっぽり収まっている姿がまた可愛らしい。

私は、ベルの家の前を通って出かけるのが日課になった。
ベルが寝ていると、「また寝てるな」と嬉しくなるし、起きていると、試しに「おいで」と言ってみて、泣きそうな顔を見て愛おしい気持ちになるし、いないと「いないなぁ」と思って淋しい気持ちになる。

ベルは、飼い主でもなく飼い主の友人でもない、本当に全くの他人の私が、こんなにも癒されている事を知っているだろうか?

もちろん、知るはずないのだ。
そんなこと、ベルには全く関係ないし、ベルは、ただただ自分の世界で、自分流に、自分の時間を過ごしているだけだ。毎日、眠ったり、遊んだり、食べたり、はしゃいだり、たまには淋しい思いをしたり、腹を立てたり、どこかに頭をぶつけて痛い思いをしたりするかもしれない。そんな風に、ただただ自分の世界を生きているだけで、その世界の中に、私は全然関係ない。
私は私で、勝手にベルに癒されていて、大好きだから、『ベルが毎日健やかに楽しく過ごせるといいな』と、やはり勝手にベルの幸せを願ったりしている。

けど実は、いつか勝手に飽きるかもしれないし、ベルよりもっと気になる犬がやって来て、ベルなんてどうてもよくなるかもしれないし、先の事は分からないのだ。もしそうなったとしても、やっぱりベルは1mmほども気にしない。ベルは揺るぎなく、ただただ自分自身を生きているだけだからだ。

そんな事が、きっと想像以上に、この世界にはあふれかえっているのだろう。
それは、なんだかとっても素晴らしい事のような気がした。
それを確かめる事は出来ないけれど、確信に近い気持ちで、そうだと言える気がしている。

Friday, October 7, 2011

もぐもぐさん!


オレンジページ「もぐもぐさん」。
今号から、文章も担当させていただくことになりました。
今までの可愛らしい雰囲気を継承しつつ、私なりに書いていけたらと思います。
ちょっと緊張の1回目、ぜひぜひご覧下さい!

ちなみに今回のお料理は、「まるごとかぼちゃグラタン」という、見た目にも嬉しいお料理です。坊ちゃんかぼちゃ、という、手の平サイズの可愛いかぼちゃを使っています。

グラタンを3ステップで!?と思いましたが、これが意外と出来ちゃうので、びっくりでした。さすがHikaruさん!
私は、ちょうど家にあったブルーチーズで作ってみました。
見た目がちょっと海苔っぽいですが、美味しかったです。

作り方は、本誌をご覧下さいね。
かぼちゃが美味しい季節です。
みなさんも、ぜひお試し下さい!

Monday, September 12, 2011

夢の話


先日、夢に関する映画を観た。
それで思い出した、不思議な夢のこと。

夢の中で私はまだ学生で、遠足とか修学旅行とか、非日常的なところに行っていて、友達と歩いていたら、見た事ないピンク色の小さい鳥が私の手に止まって、みんな不思議がった。
私は嬉しいのと、なんだかちょっとこわいのと、半々な気持ちだった。
それは、前に1度同じことがあって、その時の後悔を繰り返しちゃいけない、という気持ちだった。

前に1度、現実の世界でそういう経験をした事があって、それを夢の中で思い出したのだ。

中学生の時、体育の授業の前だった。
体育館に行く途中、屋根付きの渡り廊下を渡るのだけど、その時にスズメがいて、私は冗談で
「おいでおいで」
と言って手を出したら、本当に私の手にやって来たのだ。
周りにいた子たちは、
「おまえすごいな!
と言って驚いていた。
友達に渡そうとしたけど、なぜか私の手から離れなかった。
小さい鳥が、指に巻き付けた小さな爪が、意外と痛かったのを覚えている。
野鳥のスズメが、何を根拠に私を信頼しているのか分からなくて、何か憑いてるのかな!?と思ったりして恐ろしくなって、私はスズメに
「バイバイ」
と言って、空に放って体育館に逃げた。

夢の中で、今度は鳥の気が済むまで一緒にいよう、と思った。
でも、結局結末を覚えていないのだけど。

鳥といえば、やっぱり中学生の頃、実家の洗面所から見える小窓の外の植え込みに、ウグイスが巣を作って、ヒナが産まれた事があって、その可愛さは、反抗期まっさかりだった私と母の、ちょっとした潤滑油になっていた。
特に母は、そっと覗くのを楽しみにしていたようだった。
ある時私は、ヒナがあまりに近くにいたので、触れるかもと思って手を出してしまった。
ヒナはヒナのくせにすばしこくて、あっという間に逃げてしまった。
それから、ウグイスの親子は、戻ってくることはなかった。

母は、「触ろうとしたからよ」と言って、本当に悲しそうだった。
娘の私が見たこともないような顔だった。
しばらく口をきいてくれなかった。
後にも先にも、母にあんな種類の罪悪感を感じたのは、あの時だけだと思う。
まるで、小さい女の子が大切にしていたものを壊してしまったような、ものすごい罪悪感だった。
母は私がいるから母なだけで、ただの女の子なのかもしれない、とその時思った。
そうだとしたら、いろんなことが、しょうがないことに思えた。

なんだか、脈絡のない話になってしまった。
満月だからかも。
そういえば、昨日満月だと思っていたけど、間違いだった。
今日でした。
きれいだなぁ。

Sunday, September 11, 2011

月と穴


今日夜自転車で帰り道。
月がきれいだった。
多分満月だと思う。

満月をずっと見ていると、たまに「穴みたい」と思う。
あれは空に浮かんでいる球体ではなくて、空にあいた小さな穴なのではないか?と思う事がある。
こっちの世界は真っ暗で、穴の向こうの世界はすっごく明るくて、その穴から少しだけ、光が漏れているみたいに感じる事がある。
明るくて羨ましいなぁ、とちょっと思う。
こっちはこんなにも暗いのに。

でも、あんなに明るい世界に行ったら、目が痛いかも、と思って、やっぱりこっちでいいや、と、結局いつも思って帰る。

Wednesday, September 7, 2011

りんごの日にオジサンのPCが


9月3日(日)、都立大学で催されていた「クラーヴェとりんご」というイベントに行って来ました。ハルカゼ舎さんでフライヤーを見かけて、ずっと気になっていたのでした。
色んなお店のリンゴグッズが1度に見れて、とってもお得で楽しいイベントでした!

ドイツだったか、ポーランドだったか、ちょっと失念してしまいましたが、焼きリンゴを作るリンゴ型の食器が、本当に本当に可愛くて、かなりほしくて随分悩んだのですが、家に来ても持ち腐れになるだろうと思って、そちらは諦めました。

私が買ったのは、りんご柄の四角いお皿と、りんご型の小さな器と、りんごの絵が入った消しゴム。それと、「りんごドーナツ」という、柔らかくって優しい味のドーナツをお土産に買って帰ったのですが、これは写真に撮る前に食べちゃいました。
赤いりんごの小物入れと、りんごブローチ、りんごのカードスタンドは、元々持っていたものです。
これからりんごの季節だから、りんごのお皿に焼きりんご載せて食べようかな、と思ってます。楽しそう。

そんな素敵なイベントの帰り道、以前住んでいた街の喫茶店に立ち寄りました。某大手チェーン店の喫茶店で、私はほぼ毎日、ここでラフを描いておりました。

久しぶりにそこで作業をしていたら、隣のオジサンに話しかけられました。
「パソコン詳しいですか?」とオジサン。
「詳しくはないですが、なんでしょう?」と聞いてみると、
どうやら文字設定を大きくしたい、とのこと。
そのくらいなら教えられる、と思って、私はなぜか、「これです、これ」と言って、パソコンの液晶画面をギュンギュン押してしまったのです。

ええと、言い訳をするとですね、iPhoneだとか、iPadだとかを見慣れてしまって、触ると動く、というイメージがものすごく染み付いてしまっていて、「なんで動かないんだろ?反応悪いな」と思って、かなり強く押してしまいました、ノートパソコンなのに・・・

オジサンが「これですね」といって、操作してくれるまで、本っ当に気付きませんでした。

恐ろしいことです。
おそらく買ったばかりのオジサンのノートパソコンの液晶、あんなにギュンギュン押してしまうなんて・・・大丈夫だったかなぁ?
まぁ、ガサツな女だ、と思われたことは間違いありません。
オジサンすみません。
ガサツなのではなくて、私、ボケてただけなんです。

Friday, September 2, 2011

いつの間にか、が理想


ほぼ毎日食べている梅干し。
そのまま食べることもあるし、料理に使う事もあるし、お酢の替わりに使う事もあるし、とにかく私の食卓には、梅干しが全くない、という状態は、まずない。そのくらい、よく使う。

いつも、実家の母が、何かのついでに送ってくれる。

実家には、父の友人であるAさんとMさんという、2人のオジサンが作った2種類の梅干しが、常時大量にあって、私はMさんの梅干しが好きだった。(Aさんゴメンナサイ!Aさんのも悪くないのですが!)柔らかくて、酸っぱすぎず、しょっぱすぎず、ねっとりしていて。

Mさんが、脳梗塞で倒れたと聞いたのは、半年くらい前だったろうか?

タヌキみたいにお腹が出ていて、おしゃべりずきで、気前がよくて、体型を裏切らない太っ腹な、愉快なオジサン。
日曜日の夜に、よく家にお酒を飲みに来た。
Mさんの家は農家だったから、色んなものを収穫させてくれた。
しじみなんかもとった。
お年玉をたくさんくれた。
旅行に行くと、家にこれだけくれるのなら、全体でどれだけ買ってるの?ってくらいに、たくさんお土産をくれた。

今は寝たきりの状態だそうだが、口だけは全く異常なく、相変わらずおしゃべりらしい。
見舞いに行った母は、それだけが救いだったという。
私も、それを聞いた時にそう思った。
神様は、言葉だけは奪わないでくれたんだ、と思った。
おしゃべりなMさんは、「トイレに1人で行くのが目標!」と、陽気に言ったそうだ。

先日、「Mさんの梅干し、これが最後だよ」と言って、母が梅干しを送ってくれた。
「Mさんの」と書いた紙を貼って。

もう、半分くらい使ってしまった。
使うたびに、これで最後か、と思うと、勿体なくて、食べる前、無意識に手を合わせて「いただきます」と心から言ってしまう。
鼻の奥がキュンと痛くなる。
だって、全く同じ味には、もう2度と会えないのだ。
これはMさんのお家で採れた梅で、Mさんのやり方で干して漬けた味なのだから。
でも、勿体ぶるのはやめようと思う。
太っ腹なMさんの梅干しなのだから、気前良くホイホイ使って食べて、「いつの間にかなくなっちゃった〜」みたいのが、理想だと思っている。

そして、どんなに可能性が低くても、Mさんが再び梅干しを作れる日を、「絶対ありえないこと」って思わずにいよう、と思う。奇跡かもしれないけれど、絶対無理って思わないでいようと思っている。

今日も、Mさんの梅干しを食べます。
でも、ちょっとだけ、なくなってしまう前に、写真に残しておこう。

Sunday, August 28, 2011

はっぴぃさん


荒井良二さんの「はっぴぃさん」を読みました。
荒井良二さんは、改めて書く必要もないかと思いますが、今日本で1番人気のある絵本作家さんの1人で、またイラストレーターさんです。

ずっと気になりつつも、読んだら影響を受けすぎてしまう気がして、なんだかこわくて、ずっと距離を置いて来ました。なので、表紙の雰囲気がライトなものとか、文が別の人のものとか、そういう数少ない作品しか手に取らないようにしていました。
「はっぴぃさん」は、私的には、ずっと気になりつつも、遠ざけていた1冊だったのです。

でも今日は、なんとなく、手に取ってしまいました。
深く読まないように、パラパラと見るつもりだったのですが、どうやら男の子と女の子が主人公のお話。
実は今、男の子と女の子が主人公のお話の案を練っている最中なのですが、あまり「恋」っぽくなりすぎないように、でもやっぱり女の子同士のお話とは違う、ほんのちょっと「恋」の要素は必要で、そのさじ加減がすごく難しくて、どうしたものかと思いあぐねていたところで、これは参考になるかも、と思って読み始めたのですが・・・

立ち読みしながら泣きそうになってしまいました。
立ち読みしながら泣いてる人ってかなりやばい。
あぶないあぶない、と、慌てて買ってお店を出ました。

参考にしようとか、そんな商売っ気みたいなものは、吹っ飛んでしまいました。
そんなのどうでもよくなりました。

最後から2番目の、引きのカットで、涙がポロポロ止まりませんでした。
それは文章とはある意味切り離されたもので、でもそれ故の存在感があり、あぁ、なんてすごいイラストなんだろう・・・という尊敬からの感動もあり、でも涙が出たのは、やはり作品に泣かされたからなのでした。

人は、どんなに理不尽な状況や、自分の責任ではなく負わされてしまった過酷な環境の中でも、ささやかな幸せや、小さな夢を見ながら生きて行く事ができる強さを持っているのだな、と思えました。それはむしろ、読者である自分の「そうありますように」という希望かもしれません。でも、そうなのだ、と思えました。
でも、やっぱりそういう暗闇みたいなものは、どうしたって生活の周りにあって、出来る事なら無くなってほしいのは当たり前で、ささやかな幸せや夢とは別の次元で、やはり「なくなってほしい」という祈りもあるのでしょう。それはきっと、あまりに自分の力では太刀打ちできないくらい巨大な暗闇で、もはや「願い」ではなく、「祈り」の領域です。

私が言うと何だか安っぽくて恥ずかしいのですが、世界が平和で、今生きている人々が、しなくてもいいはずの「祈り」をしなくても済んで、自分の意識を、日々のささやかな幸せに集中することができるような世界になりますように、と、本当に思いました。

こうやって、感想を書きながらも、涙がポロポロ止まりません。
なんだかバカみたいな光景ですが、今の感動を記録しておきたくて、書いています。
今過酷な状況の下で、どうしても祈らずにはいられない人たちが、その祈りの時間を少しでも自分自身の幸せを願う時間に充てられるように、(キレイごとかもしれないけど)今平和にいられる自分が、その人たちの分まで祈ろう、と思いました。

本当に、読んでよかったです。

Friday, August 26, 2011

チェコの日!




火曜日に、お友達のYさんと、芝生さん「めぐるもの 東欧の日用品マーケットから」に行って来ました!

可愛いものがありすぎて、Yさんと2人で
「やばい」
「どうしよう」
を連発して、色々迷った挙げ句のYさんの
「私は決めにかかります」
という決め台詞に私は大ウケしたのでありました。

私の戦利品は、コースターとオーナメント?的なもの。
秋冬に活躍しそうな色!
チェコ?の新聞紙に包んでいただきました。
(写真上)

Yさんの新聞紙に、偶然ですがホラーな写真が組み込まれてて、ひとしきり怖がって楽しかったです。
私はまたしても、Yさんの
「夏だからちょうどいいかも」
発言に大ウケしたのでありました。

その後は、同じくすずらん通りのリンファさんというアンティークのお店に行きました。
こちらにも、東欧雑貨が並んでいます。

こちらでの戦利品は、ワックスペーパーの紙袋と、なんとも可愛らしい洋梨のロウソク。
(写真中…*ちなみに下に敷いた紙ナプキンはHさんからのいただきもの。可愛くて捨てられません…)
洋梨のロウソクは、もしかしたら東欧関係なかったかも・・・ちょっとうろ覚えです。控えめないい香りがします。
少し涼しくなったら、ワックスペーパーの紙袋に、おにぎりとかサンドウィッチとか入れて、どっか行きたいな。小旅行とか。

ちっちゃいものを色々買うと、あえてその日は包みを開けないで、翌日に忘れた設定で「なんだろ〜♪」って、ワクワクしながら開けるようにしています。
そうすると、クリスマスみたいで2倍楽しいから!

というわけで、翌水曜日は、チェコの日!と決めて、前日買った戦利品を並べたり、ブランボラーク(ジャガイモのパンケーキ)という、チェコの料理を作ったりして楽しみました。まぁ、なんちゃってだけど、それなりに美味しく出来ました。ビールもチェコのものにしたかったのだけど、見つからなかったので、普通のビールですが、やっぱり良い組み合わせ!この量で、小さめのジャガイモを4つ使ってます。全部食べたらマズいよなぁ、デンプンの塊…と思いつつ、やっぱり食べてしまいました。
(写真下)

ハルカゼ舎さんの“旅するチャルカが出会った「東欧の紙雑貨」”にも行きたいし、芝生さんも追加商品があったりするそうなので、週末にもう1度遊びに行こうと思います!楽しみ!

Wednesday, August 24, 2011

心配さん。


ある本に、「心配をする人は、エネルギーを奪う」って書いてあった。
本当に!?って思った。

だって私、かなりの心配性だ。
他人の事も、周りで起こる出来事も、近い将来とか遠い未来とか、もちろん自分自身の事も、毎日とにかく色々心配だ。

当たり前のことだけど、なにもエネルギーを奪う目的で心配している人なんていなくて、心配したからといって、コトが好転するわけでもないことも分かっていて、できることならしたくないけれど、するつもりはなくてもどうしてもしてしまうのが、「心配」というものだろう。

でもたしかに、いわれてみれば。
あれこれ心配ばかりしているお母さんがいたとして、その子どもを想像すると、なんかこう、気ばかり使って疲れている、弱々しい子どもがまず浮かんでくるなぁ。

そこまで分かりやすくなくても、なんとなく、ちょっと納得した。
そうかもしれない。
「心配」は、心配の対象も、それから自分自身も、消耗させるのかもしれない。
ちょっとゾッとしたし、申し訳ない気持ちになった。

どうせなるようにしかならないのだとしたら、なおさら、心配なんてしたって意味がないのだ。もうやめよう、と思った。(そう思ったところでやめられないのが「心配」なのだけど。)

そんなことより、今目の前で起こっている中で、1番キラキラしているものを見た方がいいし、それに気付けるように、なるべく目や耳や心を澄ましていよう。

でも、今までの超心配人間だった自分も、悪気があってしていたわけではないのだから、あんまり否定するのはやめてあげよう。
ただの楽観と、1度底を見てからの楽観は、きっと全然違うはずだから、そんなに悪くはなかったよ、って言ってあげよう。

そう言っているそばから、〆切間に合うかなぁ…ってちょっと心配してる。
まぁこの程度の心配なら良しとしよう。

Friday, August 19, 2011

こんな天気だから


誰かの話を聞いたとき、それが親しい人であればあるほど、鳥肌が立つくらいに、まるで自分が経験してしまったかのような感覚になってしまう体質(というか癖というか)のようなものは、数少ない自分の長所だと思っていたのだけど、もしかしたら、私はひどい勘違いをしていたのかもしれない。

それは、よく言えば「共感」する力、とか、「共鳴」する力、なのだろうけれど、悪く言えば、自分から巻き込まれて行く不安定さ、ということになるのだろう。

その話が、明るい話だったなら、それはそれで円満だ。
でも、辛い方の話だったら。

私は鳥肌を立てて、一緒になって辛くなって、ぐったりして、底なし沼にはまったみたいに、しばらく沈んで這い上がれなくなってしまうのだ。
それは、寄り添っているようでいて、本当は引きずられているだけだ。

誰かが一緒になって悲しんでくれたら、一時は救われた気持ちになるかもしれないけれど、本当の救いというのは、自分はしっかりと岸に立って、決してそこから動かないで、時間がかかったとしても、泥の中からひっぱり上げてあげることではないだろうか?
それには、きっとものすごい強さが必要なのだろうと思う。

今、「共感する」という方法で、一時的にその人を救うことは出来るし、そうした方がどんなにか楽だと思う。
一緒になって沈むことは、それはそれで結構きついのだけど、動かずにいる意志力に比べたら、だいぶ楽だ。でもそれこそが、一緒になって辛くなっているようでいて、所詮は擬似体験をしているにすぎないという、何よりもの証拠なのだと思う。

ギリギリまで近づいて、それでも岸に立ち続けるには、とてつもないエネルギーが必要だ。一歩間違えたら、それは狡さになってしまう。ただ見ているだけの、卑しい人になってしまう。
でも、正しいやり方で、ちゃんとそれが出来るようになったら、また違う景色が見えてくるのだろう。

今日のお天気がこんなんでよかった。
晴れていたら、こんないいお天気の日に、何してるんだろう?と思ってしまったと思うから。
晴の日も、曇りの日も、風の日も、雨の日も、雪の日も、それぞれに必要で、大切だと思った。

Wednesday, August 10, 2011

ありがとうございました。









先日、「なつこちゃんとなつちゃんと」“わたしドーナツこ”絵本原画展、無事に終了しました。みなさま、本当にありがとうございました。

展示が終了したら、きっとポカンと時間が空いて、寂しくなったりもしながら、でもゆったりと、思い返したり、お礼のご連絡を差し上げたりして過ごすのだろうな、と思っていたのですが、翌日からやけに家の電話は鳴り響き、おかげさまで忙しい日々を過ごしております。そんなこんなで、こちらの更新もすっかり遅くなってしまいました。

今回の個展は、この年齢でこんなに楽しい個展を経験してしまってよいのだろうか?と、今後が心配になるくらい、楽しくて、幸せ感に満たされた日々でした。言葉にすると、台無しにしてしまうような気がして、ちょっと怖くて書けないのですが、本当に、あの時間は、色々なものが、おだやかにキラキラと光っているように感じました。

もしもこの先、自分が事故や病気でそれまでの記憶をなくすようなことが起こったとしても、思い出す記憶の中に、あの日々はきっと含まれているだろう、と思うのです。もしも出来事として思い出せなかったとしても、きっと感覚だけは覚えていて、例えば曇り空の日に、長い商店街を散歩する時だとか、天気雨の日に、誰かが自分の家にやって来た時だとか、コーヒー豆を挽くガーッという音を聞いた時だとか、誰かにお花を貰った時だとか、寝転んだ媚びない老犬を見た時だとか、美味しいお菓子を食べた時だとか。そんなふとした時に、あのキラキラとした感覚を思い出して、理由は分からなくても、とても満ち足りた気持になれるだろう、という、そういう自信があるのです。

そんなキラキラとした日々を送る事が出来たのは、関係者のみなさまや、ご来場いただいたみなさま、「行けないけど成功を祈ります」と応援して下さったみなさま、そして、「すずらん通り」という不思議な土地の力とそこにいるみなさまのおかげです。

あんまりよく知らないのに、私は「すずらん通り」や、そこにいる人たちが、大好きになってしまいました。受け入れてくれるのに、放っておいてくれる、その絶妙な距離のとり方は、本当に優しい人たちの距離感です。例えるなら、子どもの頃に、父や母の友人が家に遊びに来ていて、楽しいのに子どもだから先に寝なくちゃいけなくて、一人で寂しいのだけど、隣の部屋からはその人たちの話し声や物音がしていて、眠る直前までとても満ち足りた気分でいられる、そんな優しい距離感です。そこには、一向に果たされない大人の約束や、人を悲しくさせる社交辞令なんてなくて、ほんの少しの優しい意地悪があったりします。
大好きで、毎日だって遊びに行きたいくらい。
でもそれをしないのは、私はずっと「こんにちは」と「さようなら」を言いたいからなのでしょう。

はじめて会う人にも、親しい人にも、何度でも、「こんにちは」と「さようなら」を言えるように、これからも何かを作っては、たまにお披露目する会を催したいと思います。
私は一体、作品を見てほしいのか、人見知りのくせに人に会いたいだけなのか、よく分からなくなることがあります。きっとこれからも、よく分からないままなのでしょう。真面目な人が聞いたら怒るかもしれない。でも、そんなイラストレーターがいても、ちょっとくらいいても、まぁいいかも、と思います。

だから今は、無理せず少しでも長く続ける、が目標です。
ありがとうございました。
そんな私ですが、これからも、なんとなく、見守っていただけたら、とても嬉しいです。

Friday, July 29, 2011

芝生さん、おめでとうございます!


「わたしドーナツこ」原画展も、残り5日となりましたが、本日7月29日は、芝生さんの1周年記念だそうです。

おめでとうございます!

1周年を記念して、本日ご来場下さるお客様には、芝生さんから素敵なプレゼントがあるそうです。なんでしょう?ヒントは、上の写真です。
答えが気になる方は、コチラをご覧下さい!

そして、明日明後日は、HOQUBAさんからドーナツなおやつがやって来ます!
先日試食させていただいたのですが、大人な味で、とっても美味しかったです。
HOQUBAさんのおやつは、数量限定となっております。
みなさま、ぜひお早めに!

(*HOQUBAさんは、美味しいカレーとおやつのお店ですが、今回は、カレーはやって来ません。おやつのみです。)

私も終日在廊する予定です。
みなさまにお会い出来るのを、楽しみにお待ちしております♪

Thursday, July 28, 2011

ルルとひょうたん




先日、「ドーナツこ原画展」には、編集担当のTさんはじめ、版元のみなさんが遊びに来て下さいました。
ありがとうございました!
なつことなつも、親戚のお姉さん達が遊びに来てくれたような感じで、とても喜んでいたと思います。

お土産にいただいた、ひょうたん?のお菓子が、なんとも言えず可愛いです。
見えますか?
頭の上にチョロリン!とついた、ツル。
2枚目はアップで。
ほらね、チョロリンって、波平さんみたいに。
ひとしきり愛でた後、パクッと食べちゃいました。
美味しかったです。
ごちそうさまでした!

ちなみに下の不思議なお魚のお皿は、ウレシカさんで、一目惚れして購入したお皿です。
なんとなく、「ルル」って名前じゃないかと思うので、ルルってことにしました。
ルルとひょうたん、涼し気です。

最後に、芝生さん近くのハンコ屋さんのお犬。
いつもダルダルです。
限りない、犬感。
これこそ犬。
犬の中の犬。
The dog.
たまりません。
お外に出ているところに初めて遭遇し、(勝手に)触らせてもらいましたが、とてもどっしりとした肉感でした。たいそうな肉厚でいらっしゃいました。

「ドーナツこ原画展」も、残り6日となりました。
今度の土日は、おやつ会です♪
みなさん、ぜひぜひ遊びにいらして下さいね!

Sunday, July 24, 2011

稲垣足穂にグッときた!



ハルカゼ舎さんから、素敵鉛筆をいただきました!
ラッピングが飴玉みたいでお洒落*
ちなみに一緒に映っている、マーブルチョコみたいな画鋲もハルカゼ舎さんの商品です。イタリアから来た画鋲。可愛い!

春の文房具展の時に、私が出展していた鉛筆を気に入って下さって、私は鉛筆業者さんのURLをお伝えしただけだったのですが、それを気にかけていただいたようで。
律儀で優しいハルカゼさん…いただいてしまうの、なんだか申し訳ないのですが、ありがとうございます!遠慮なく頂戴しますね!

文豪の一言が刻まれたカラフルな鉛筆です。
爽やかな気分になりたい時、落ち込んでしまって開き直りたい時、ロマンチックな気分になりたい時、などなど、その時の気分によって、使い分けたいです。
私は、稲垣足穂の一言が、今はグッときてます。
なるほど・・・深い言葉・・・
こんな風に、飄々と生きて行きたい。
どんな一言かは、ぜひ実物をご覧下さい!

ハルカゼ舎さんは、現在「ドーナツこ」原画展をやらせていただいている芝生さんと同じ通りにある、素敵な文房具屋さんです。ぜひ、原画展と合わせて、素敵鉛筆もご覧いただくコースがおススメです!